株式会社トンボ鉛筆から、主力のつめ替え式テープのり※1「ピットエアー」のケースに、使用済み漁網を再生利用した樹脂を使用した新製品「ピットエアー 漁網リサイクル」が発売されます。
※1 テープのり: 紙にヘッドを当てて引くと薄膜の粘着テープが塗布されるのり。待たずに貼れて、手・机等を汚しにくい。本製品はテープつめ替え式でケースはくり返し使用できる。
発売予定:2024年11月18日
販売価格:484円(税込み)
役目を終えた漁網を再利用、海に想いを馳せる テープのり 「ピットエアー 漁網リサイクル」発売
漁網テープのり ピットエアー 商品化背景
本製品は、再生樹脂メーカー、リファインバース株式会社(本社・千代田区丸の内、社長・越智 晶)が、使用済み漁網を回収・分別・洗浄し、ペレット(粒状原料)にした原料「REAMIDEⓇ」(リアミド)の供給を受けて商品化されています。
ケースは深海の色、ディープブルーで中央にイルカのシルエットをあしらい、「RECYCLED FISHING NETS」とメッセージしました。使うたびに海の環境に想いを馳せる、気づきを促します。
本製品は使用済み漁網を再生したプラスチックをプラスチック質量中10%以上使用しています。本製品は、エコマーク認定商品、グリーン購入法適合商品、当社自主基準をクリアーした「グリーントンボ」商品です。
SDGs意識の高まりから発売
社会のSDGs意識の高まりを受けて、ユーザーに出所がわかりやすく、環境貢献の道筋が描きやすい再生材を探索・検討されていました。そうした中、リファインバース社が役目を終えた漁網の再生を行っていることを知り、具体的には使用済み漁網を原料とした再生ナイロンペレット「REAMIDEⓇ」(リアミド)の供給を受け、数年前からこの成形性、耐久性等をテストしてきました。その成果として、当社製品の中で比較的プラスチック使用量の多いテープのりで製品化するに至っています。
当社は、ユーザーに出所がわかりやすく環境によい再生原料等の製品への活用を、当社品質基準に照らした上で積極的に推進して、課題の提起と、微力ですが直接的な環境貢献をしていきたいと考えます。
※2「REAMIDE®」は株式会社リファインバースグループの登録商標です。
新製品 「ピットエアー 漁網リサイクル」
■テープ幅8.4㎜、テープ長16m
■希望小売価格484円(税別440円)
つめ替えテープ小売価格352円(税別320円)=既販品
※つめ替えテープに漁網をリサイクルした再生材は使用していません。
<テープのりとしての特長>
■平面接着力と曲面接着力の双方に優れたのり。ぶ厚い封筒の封かんもできる。他、資料のスクラップ、クリッピング、プリント貼り、写真貼り、ラッピングもしっかり貼れる。
■当社独自機構「エアータッチシステム」を搭載し、今までにない「軽い」引き心地を実現。最後まで、驚くほど軽く引ける。
■テープ交換は簡単。ヘッドカバーを開け、ボタンをプッシュして本体ケースを開けてテープを交換するだけ。
■エアーフィットヘッドを採用、本体が傾いてもヘッドの角度を補正してムラなく滑らかにのりを塗布できる。
■ACID FREE:のり自体の酸化による変色や貼り合わせた部分の酸化による変色がしにくいよう配慮した素材を使用。
■外形サイズ 幅43×厚さ26×全長96㎜/37g
■エコマーク認定商品(文具・事務用品の認定基準による)、グリーン購入法適合商品(本体のみ対象)、「グリーントンボ」※3商品
※3「グリーントンボ」とは当社独自基準による自己宣言環境ラベル。https://www.tombow.com/corporate/csr/eco/
<リファインバースが行う海洋ゴミ削減の取り組み> 出典:(株)リファインバースグループ について
世界中の海に廃棄・流出するプラスチックごみは1億5千万トンとされており※1~3 日本では海洋ゴミの約40%が漁網をはじめとした漁具で年間64万トンとも算出されています。※4日本で使用される漁網は役目を終えると廃棄されますが、リファインバースではナイロン素材の漁網を全国各地から回収し、再生ナイロンペレット「REAMIDEⓇ」として新たに生まれ変わらせています。バージンナイロンと同等の品質の良さもさることながら、再生の工程においても環境に対する負荷が少ない方法を生みだしています。静岡県の稲取や下田では廃漁網の選別と回収活動にも取り組み、廃漁網から「REAMIDEⓇ」へ再生し、トンボ鉛筆をはじめとするサスティナビリティに取り組む様々な企業に提供しています。
※1 Neufeld, L., et al. “The new plastics economy: rethinking the future of plastics.” World Economic Forum. 2016.
※2 Jambeck, Jenna R., et al. “Plastic waste inputs from land into the ocean.” Science 347.6223 (2015)
※3 Conservancy, Ocean. “Stemming the tide: Land-based strategies for a plastic-free ocean.” Ocean Conservancy and McKinsey Center for Business and Environment, 48pp (2015)
※4 海洋ごみをめぐる最近の動向 我が国での漂着ごみ調査結果について環境省(2018)
まとめ
海洋ゴミの問題になっている漁網プラスチック。
そのプラスチックの最も多いのが、漁網。漁業大国日本では、漁網回収から再生までが大きな課題になっています。
そんな実態を伝えて、環境意識を育むためには身近な文具で活用するのは、必要な行為なのかもしれませんね。