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【初公開】ジェットストリームの「製造工程」と「滑らかさ」、2ミクロンの秘密

TV番組のがっちりマンデーで、三菱鉛筆のジェットストリームが紹介されましたので、その内容を取り上げていきます。

TV番組でも、全てを取り上げているわけではなく、つくり手、つかい手として残しておきたい内容のみ記事として掲載しています。

 

【新商品】がっちりマンデーで紹介された「ジェットストリーム」 商品概要

ジェットストリームは2003年に発売され、3色タイプの550円のタイプや高級筆記具として1本5,500円で販売している商品まであります。

 

現在では、200種類以上のジェットストリームが存在しています。

そんなジェットストリームは、年間1億本以上売れているという大ヒット商品です。

 

 

日本人が1億2,000万人ですので、ほぼ全人口分の数量が毎年購入されている計算になりますね。

 

 

 

「ジェットストリーム」の製造工程 初公開

山形工場で生産している「ジェットストリーム」

ジェットストリームは、山形三菱鉛筆精工という工場で製造さえています。

これまで、TV番組への取材はNGとされてきましたので、

このTV放送が、製造現場を初めて見られるチャンスでした。

ちなみに、山形工場の広さは、3,000坪です。

 

「ジェットストリーム」の製造工程

1億本以上も製造している商品の為、製造工程は全自動化されています。

ここでは、代表的な各工程について見ていきます。

 

本体に先端をはめ込む

先端取り付けは、8本ずつ同時に行われています。

ラインの流すスピードと先端の回転数とを合わせた綺麗な組み立てラインになっています。

 

 

本体を180度回転してバネを入れ込む

先端取り付け以外は、ノック側からの組み立てとなるため、

本体の方向を変えることで、製造ラインがシンプルに設計されています。

 

 

インク芯の投入

 

ノック部の取り付け

 

ノック検査

ノック検査は全数おこなわれ、全ての商品がペン先が出ることが確認されています。

1本あたり4回のノック検査がされています。

 

 

その他検査工程

「筆記検査」や「本体シールの貼り付け検査」など、全18個の検査工程があります。

 

 

 

「ジェットストリーム」の滑らかさの秘密は「ペン先」

 ジェットストリームが人気になっている理由は、滑らかな書き心地です。

その書き心地を実現しているのは、インクであり、インクを送り出すペン先です。

 

ジェットストリームの目的は、「線の色を濃くすること」

従来のボールペンから、線の色を濃く出すことが目的とされてきました。

そのためには、インクの出量を調整する必要があり、結果として滑らかさに繋がったと言います。

 

 

ペン先の2ミクロン

ボールペンのボール径がΦ0.7mmに対し、それを包むペン先カバーのすき間を2ミクロンにすることが線の色を濃くし、滑らかさを実現しています。

 

この2ミクロンピッタリが、色が濃く筆記できることに気づけたことが開発者としての着眼点の良さですね。

2ミクロンとは、髪の毛の直系の1/40にあたる細さですので、この寸法を安定して生産することはかなり難しいのは言うまでもありません。

 

 

滑らかさの違い

滑らかさの違いを見るために、それぞれ3本の筆記具を自重で筆記速度を比較する実験がされていましたが、通常のボールペンと比べるとその転がりスピードは雲泥の差でした。

結果として、滑らかさの違いだけでなく、筆記出来ている線がしっかりかけているのもジェットストリームでした。

 

インクにも違いがある

ジェットストリームの滑らかさの秘密は、ペン先の設計と共に、サラサラなインクにあります。

 

試作を1万種類も実施されて製造されたというサラサラのインク。

このインクを作成するまでに、6年間要したとのことです。

 

 

「ジェットストリーム」 ヒットの背景にはリーマンショックが関係!?

ジェットストリームがここまでヒットして受け入れられた背景には、リーマンショックがあると言われています。

リーマンショック以前は、社会人は会社でボールペンが支給されていました。
リーマンショック以降、会社経費でボールペンを購入することが減り、個人購入であれば、「自分の好きないい筆記具を購入しよう!」という思考からヒットに繋がっています。

 

 

まとめ

 

ジェットストリームの製造工程の初公開と共に、滑らかさが目的でスタートしたものではなく、
濃い文字にすることから開発が着手されたことを紹介してきました。
文具の商品開発をしている中で、6年間の研究期間というものは、たまに稀にあります。
また、ジェットストリームの様に、当初、狙っていた価値と異なる副産物が受け入れられる
ことも、商品企画・開発をしているとあります。
今回は、ジェットストリームの製造について、紹介してきました。
ものづくりを目指す人にとって、面白い気づきになったのではないでしょうか。


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