ペーパルは、廃棄されたお米を活用してできた紙素材「kome-kami」(コメカミ)を2021年2月に開発。
2021年4月14日から応援購入サイト「Makuake」にてkome-kamiを使ったノート・名刺の商品を販売しています。
有償廃棄される災害用備蓄食品のお米や食べられないお米をパルプに配合しており、素材の売上の1%をフードバンクに寄付することで、フードロス問題の解決を目標としています。
【新商品】廃棄される「お米」から生まれた新素材「kome-kami」 誕生背景
現在、日本全体で年間646万トンにもおよぶフードロスが問題となっています。近年、企業や自治体が備蓄する災害用食品は増加していますが、その多くは利用されず賞味期限が切れて廃棄されます。これは、フードロス量の646万トンにカウントされてない廃棄となっています。
総務省東北管区行政評価局の2019年の調査(※1)によると、国の行政機関の63.8%が廃棄しており、毎日新聞社のアンケート(※2)によると、全国47都道府県と20政令都市で2010年から2015年で3億円にのぼる備蓄食料を廃棄しています。
企業や自治体はイベントにおいて配布したり、フードバンクなどと連携したりして活用を模索していますが、全てが活用しきれるわけではありません。また、自治体関係者によると、特に今年はコロナ禍によるイベント中止によって増加しているようです。このような廃棄される食材のうち、多くの割合を占める「お米」に着目。廃棄されるコストを価値あるものに変換し、フードバンクに寄付をすることでフードロスを削減すべくkome-kamiを開発。
※1:総務省:災害備蓄食料の活用の促進に関する調査~食品ロスの削減を中心として~ https://www.soumu.go.jp/kanku/tohoku/houdou_190328.html
※2:災害備蓄食料 176万食を廃棄…5年間・17自治体(毎日新聞 2016.3.24付 https://mainichi.jp/articles/20160325/k00/00m/040/137000c
「kome-kami」 商品特長
1.企業や自治体が廃棄する災害用備蓄のお米などを活用します
2.フードバンクに売上の1%を寄付。 食品ロス問題の解決が目標です
3.SDGsが提唱する「持続可能な開発目標」の12,13の達成に寄与します
●紙の特徴
紙そのもののもつ豊かな風合いにお米の質感が加わり、 ラフでありつつもしっとりとした、 相反する表面を実現。 ずっと表面を触っていたい。 そんな気持ちにさせられる独特な質感の紙です。
色は採れたての艷やかなお米を思わせるナチュラルな白さとなっています。
「kome-kami」 商品について
kome-kamiを使ってできたノート・名刺を販売。
今後の展開
今後は、持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みの一環として、企業や自治体での活用を広げるようです。具体的には、パンフレットや封筒、名刺や紙袋、ノベルティグッズとしてのノートなどを、kome-kamiに変更していただくことでの協賛を想定。また、紙単体での販売も行い、印刷・加工会社などでも導入いただくことで取り組みを広げます。さらに、全国のフードバンクへ広く支援ができるような仕組み作りも進めるということです。
まとめ
文房具業界でもSDGsに関わるプロダクトが増えてきたと感じます。このような取り組みはとても大切で応援したいと思っています!
しかし、こういった取り組みが企業としてのCSR活動にとどまってしまっては普及はしません。経済合理性をもって、きちんと儲かる形でないと持続的にはなりません。
そのためには、きちんとユーザーにとって価値のあるプロダクトにすること、その対価を払ってでも買いたいと思わせる価値があること、がとても大切だと思います。エコだからエシカルだからSDGsだから買おう、ということをメーカーが期待してはいけないと思います。そこが今後難しい部分だと思いますが、日本のメーカーが一体になってSDGs目標をクリアするために向かっていきたいですね。そんなことをこのプロダクトから感じました。
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