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「ジャポニカ学習帳」のショウワノートとコクヨが資本業務提携

「ジャポニカ学習帳」で知られているショウワノートと総合文具メーカーのコクヨが資本業務提携することが12月10日に発表されました。

コクヨは、2019年に筆記具大手のぺんてるの敵対的買収に失敗し、筆記具メーカーや世界への販売機会を得ることが出来ませんでしたが、今回、ショウワノートとの資本業務提携が実施される形となりました。

この内容について、紹介していきます。

 

 

ショウワノート×コクヨ 資本業務提携 概要

業務提携内容をみて、今後、どの様な動きが想定できるかを見ていきたいと思います。

ショウワノートからの発表内容

ショウワノートからは、以下の内容で発表されています。

 

コクヨ株式会社との資本業務提携に関するお知らせ

当社は、コクヨ株式会社(以下、コクヨ)との間で、資本業務提携を実施いたしましたので、下 記の通りお知らせいたします。

1.本資本業務提携実施の理由
当社は、1947年(昭和22年)に富山県高岡市で創業し、ジャポニカ学習帳を1970年に発 売し、2020年に発売50周年を迎えました。また、創業当初からキャラクター文具・雑貨を提供しつづけ、ジャポニカ学習帳と並ぶ収益の柱となっております。どちらの商品群でも「子どもたちの学びに寄り添い、楽しく学ぶサポート」を長きにわたり提供させていただいております。コクヨとは以前から業務提携を行っており、双方の強みを活かした共同商品企画の実績も数多く【共同商品企画例:ドラえもんキャンパス(2017年末、2018年末)ポケモンキャンパス(2019年末)八村塁キャンパス(2020年)等】、その過程で両社の関係性は深まりました。時期を同じくして、当社はデジタル化が進む中でも「ノートに書く」ことの価値は残り続けると考えており、戦略的にノート生産技術の強化を推し進めておりました。当社は糸綴じノート生産技術のスペシャリティはありますが、無線綴じノートについては後発で、コクヨとの資本提携に よって強化スピードを速める選択をいたしました。 また、総合文具メーカーであるコクヨとの間で資本業務提携を締結することにより、商品面、生産面および販売面等における協業を通じ、高いシナジーをもたらすものと考えております。

2.コクヨ株式会社の概要
名称
:コクヨ株式会社
本社所在地
:大阪市東成区大今里南6丁目1番1号
代表者
:代表取締役社長 黒田 英邦
事業内容
:文房具の製造・仕入れ・販売、オフィス家具の製造・仕入れ・販 売、空間デザイン・コンサルテーションなど
資本金
:158億円 設立年月日 1905年(明治38年)10月

3.資本提携の内容
ショウワノートホールディングス株式会社が保有する当社の普通株式の一部(298,000株 (ショウワノートの議決権割合の14.9%))を、コクヨへ株式譲渡いたしました。

以上

 

こちらの内容から読み取れる内容を整理してみます。

【目的】
・ショウワノートの「ジャポニカ学習帳」と「キャラクター文具」の力を高める
・強みの「糸綴じ」を活かし、弱みの「無線綴じ」を補う

【資本提携】
・株式の14.9%をコクヨへ譲渡

 

ここでは、ショウワノートにとって、メリットを感じて株式を譲渡したとの内容が読み取れます。

 

 

コクヨからの発表内容

一方、コクヨからは、以下の内容となっています。

ショウワノート株式会社との資本業務提携に関するお知らせ

当社は、ショウワノート株式会社(以下、ショウワノート)との間で、資本業務提携を実施致しましたので、下記の通りお知らせ致します。

1.本資本業務提携実施の理由
当社は、第2次中期経営計画において、これまで以上にダイナミックな改善や大胆な成長に事業本部を超えて挑戦するために、将来の顧客ニーズの変化をとらえたコト視点での3つの 事業ドメイン(空間価値、ビジネスサプライ、グローバルステーショナリー)の設定を行いました。国内外のステーショナリー事業を含むグローバルステーショナリードメインにおいては、国内における文具シェアトップメーカーとしての強みを活かし、各国市場における成長トレンドを継続しつつ、新たな成長領域を意識した成長戦略の策定と検証を行うことにより、国内外における選択と集中を行い、海外における売上成長及び国内でのシェア維持と売上総利益率の向上を進めることによって、グローバル文具市場でのシェアの成長を目指すこととしております。足元の事業環境は新型コロナウイルス感染拡大影響によって大きな影響を受けておりますが、アフターコロナにおけるニューノーマルを見据えて文具市場における更なる収益向上に向けた戦略を推し進めています。ショウワノートは、学習帳の分野を中心として文具市場に確固たる地位を築いている企業であり、総合文具メーカーである当社との間で資本業務提携を締結することにより、商品面、生産面および販売面等における協業を通じ、高いシナジーをもたらすものと考えております。

2.ショウワノート株式会社の概要
名称
:ショウワノート株式会社
本社所在地
:富山県高岡市佐野850
代表者
:代表取締役会長 片岸 茂 代表取締役 社長執行役員 中条 宏志
事業内容
:ジャポニカ学習帳他各種学用品 キャラクター・ファンシー文具、医薬部外品および日用品雑貨の製造販売
資本金
:1億円
設立年月日
:昭和22年9月 大株主 ショウワノートホールディングス株式会社(100.0%)

3.取得株式数及び取得前後の所有株式の状況
(1)異動前の所有株式数 0株
(2)取 得 株 式 数 298,000株
(3)異動後の所有株式数 298,000 株 (議決権所有割合:14.9%)
(4)株式取得日 2020 年 11 月4日

4.今後の見通し
本件が当社連結業績に与える影響については、現時点では軽微と考えておりますが、今後において重要な影響があると判明した場合には、速やかにお知らせすることといたします。

以上

 

こちらも、内容から読み取れる内容を整理してみます。

【目的】
・国内でのシェア維持と売上総利益率の向上を進める
・「ジャポニカ学習帳」で築いている地位の獲得
・「商品面」と「生産面」でシナジー効果を狙う

【資本提携】
・株式の14.9%をコクヨへ譲渡

との内容です。

ショウワノートの発表と同じ内容ですが、小学生の低学年で高いシェアを持つ「ジャポニカ学習帳」の市場を獲得することで、ノート市場のシェアを確保した形ですね。

 

 

「ジャポニカ学習帳」×「Campusノート」の未来

ここからは、2社の業務提携によって、どうなっていきそうかを勝手に想像します。

「つくる」場所の効率化

2社は、ノートの生産工場を持っていますので「原材料(紙)」や「生産ライン共通化」に向けて、分業していくことが想定できます。

ショウワノートの工場:「糸綴じ」ノート
コクヨの工場    :「無線綴じ」ノート

ノートの紙の共通化や生産技術の共有のによって、原材料が安く手に入る・安くつくれることも想定できます。

 

「売る」場所の効率化

販売面では、同じノートではありますが、そのターゲットは異なります。
小学1年生から学校指定で購入するのは、「ジャポニカ学習帳」ではないでしょうか。ここに、コクヨの名前やCampusと入っていると、その後、小学校中学年になった際にCampusノートを購入する学生も増えるのではないかと思います。

ノート売り場は、学習帳と大学ノート売り場が分かれていますので、ノートの市場でも取り合いになることはなさそうですね。

 

 

「キャラクター商品」の増加

日本が世界に誇れるアニメですね。
まさに今流行っている「鬼滅の刃」の様な商品がどんどん出てくることが予想されます。
ショウワノートは、以下の様に様々なキャラクターと提携していますので、国内だけでなく、海外でも有名な商品を出してくるのではないでしょうか。

ノート以外でも出てくると面白いですね。

 

 

 

 

まとめ

ショウワノートとコクヨの資本業務提携が発表されました。
今回の提携では、仲良く提携されているように見え、この先の展開が楽しみです。

 

 

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