僕たちは実際に文房具メーカーに勤めていて、新入社員を迎えることも多く、また技術系の採用面接官としても役割を担っていたりします。そのような経験からか、学生の皆さんから文房具メーカーで働きたい・勤めたいのですが、どうすればいいかアドバイスを求められることが多くあります。
どのような大学に進むのがいいのか?商品開発であればデザインを学ぶために芸術大学のほうがいいのか?また、大学院まで出たほうがいいのか?学部は?など聞かれます。今回は、そのような質問に答えるべく実際の事例なども交えながら実態をお話しできればと思っています。
文房具メーカーでどんな職種に就きたいか?
まず、はじめにお聞きしたいと思います。
文房具メーカーに勤めてどんな職種に就きたいですか?営業ですか?それとも商品企画ですか?または商品開発ですか?その職種ごとに必要な知識やスキルが変わってきますので、求められる要件も変わってきます。
ここでは、僕たちが実態を語るのにふさわしい職種、「商品開発職」と「マーケティング職」この2つに絞ってお話をしたいと思います。この2つはメーカーに勤めるうえでは人気があり、花形の職種だと思います。(それ以外の職種の場合は、あまり参考にならないと思いますがご了承ください)
実態公開
ここからは推測ではなく、僕たちの会社の実態をベースに語ったほうがリアルに伝わると思いますので、これから出てくる定量的な数字は全て2018~2020年入社の新入社員をリアルに分析したものだと思ってください。
まず、そもそも文房具メーカーと言ってもピンキリだと思いますので、ある程度イメージしてもらうために下図を見てください。これは文房具メーカーの認知率をアンケートでとったものになります(MyVoiceより抜粋)。これから語る内容はここに記載のランキングに入っているような、ある程度名の知れた文房具メーカーだと認識してお聞きいただければと思います。
それぞれの職種にはどれくらいの割合ずつ採用されるの?
もちろん、各社の採用計画に応じて変化するので一例だと思って見てください。
商品開発職とマーケティング職でどれくらいの割合ずつ採用されて配属されるの?商品開発職と言っても各社で少しずつ違いますが、ここではデザインや設計、技術開発に関わる人を総称していると思ってください。また、マーケティング職も同様に商品企画や販売促進、プロモーションに関わる人を総称しています。
結論としては、商品開発職:マーケティング職=8:2くらいになります。やはりメーカーですので実際にモノづくりをする人員が多く採用され配属されていますね。ちなみにですが、商品開発職に就く人は100%理系卒です。また、マーケティング職は100%ではありませんがほとんどが文系卒です。
商品開発職に就くためには学部卒ではなく大学院卒がいい?
ここからは、さらに商品開発職について深堀していきたいと思います。
よく大学院まで出ないと商品開発職には就けないの?とか有利なのか?と聞かれることがあります。ここ数年~10年においては大学院卒が増えてきていることは間違いありません。
しかし、結果的には学部卒:大学院卒=5:5という感じです。増えてきてはいますが、学部卒だから無理ということは決してありません。大学院まで行くと研究内容に専門性が出てきますので、就職活動の面接などでは多少有利に働く部分はあると思いますが、それだけが全てでありません。実態として5割ですので、絶対条件ではないことがお分かり頂けたと思います。
ちなみにですが、マーケティング職はほぼ100%学部卒です。
どんな学部の人が商品開発職に就いているの?
商品開発職に就くためにはどんな学部に進むのがいいのか?デザインを学んでおかないといけないのか、進路を決める上でこのようなことを聞かれることがあります。
実態としては、工学部:デザイン系=:7:3という感じです。
工学部の中でも学科など専攻は?
商品開発職に就く工学部卒の人を分析すると、
機械:化学:電気電子:建築:その他=50:25:10:10:5というイメージです。
文房具を開発するためには樹脂成型品や金属などを用いて機構設計をすることが多いので機械系が多くなっています。次いで、インクや粘着剤などの処方開発をするために、化学的なスキルも必要なので化学系がきています。あとは、電子文具系の開発のために電気電子系などが続いています。
マーケティング職では、経済学部、商学部、社会学部などが多いです。
具体的にどんな大学の人が多いの?
これは本社が関東なのか関西なのかで大きく変わってきたりしますので、あくまでも実態としての参考としてください。工学部では、早稲田大学・明治大学・法政大学・日本大学・名古屋大学・京都大学・大阪大学・大阪府立大学・同志社大学・関西学院大学など、ある程度名の通った国立・私立大学が並んでいるという印象です。デザイン系では、多摩美術大学や武蔵野美術大学が多いですね。
まとめ
いかがでしたか?
これから進路を決める上で、もしくは就職活動をしていく上で参考にして頂ければと思います。何度も言いますが、これが全てではありません。しかし、実態ですのである程度は説得力のあるデータだと思います。
参考にしてもらいながらも、就活においては絶対にこうでないといけない!という答えというものは存在しませんので、該当しなくてもいくらでもチャンスはありますので切り開いていってもらえればと思います。
また、実際に文房具メーカーの面接を受けることになった場合は、下記の記事が参考になると思いますので合わせてご覧ください。
ここでは、ある程度ざっくりとした情報にしていますが、もっと詳細に聞きたい!などありましたら、アドバイスしますので言ってくださいね。それでは、文房具メーカーに勤められる日がきましたら、いつかどこかで(笑)。