文具ブラザーズは実際に文房具メーカーに勤めています。
インターンシップ生から新卒採用、また中途採用まで技術系(商品開発)の採用面接官を勤めることも多く経験しています。そして、実際に面接官をして合格を出し、その後採用となった人が会社で活躍している姿を多く見ています。そのような経験から、文房具メーカーの商品開発マンとして活躍できる人材を、わずかな面接時間で見極められるようになってきました。そのポイントについて話していきたいと思います。
文房具メーカーでの経験を通じてではありますが、モノづくりという部分では業界が違うメーカーにおいてでも共通の視点だと思いますので参考になるはずです。実際に(文房具)メーカーで商品開発を志す人にとって、面接ではどんなことをどんな視点で話せば良いか、などの参考になればと思います。大事なポイントは大きく3点あります。1点ずつ詳細に説明していきます。
就活に役立つ文房具メーカーの技術系(商品開発)面接ポイント①対人能力
これは技術系面接の前段階での、採用担当との面接でも重要視される点でもありますが、対人能力です。これは、どんな職種であれ共通して必要ですが、技術系の面接においても適正は見られます。
研究職などであればコミュニケーション能力が長けていなくても、知識やスキルがあれば良いのでは?と思われがちですが、それは昔の話かもしれません。今は研究者や技術者でも、他人と関わらずに素晴らしいアウトプットを出すことは非常に難しくなってきています。
これだけモノがあふれ、そして不確実性が高い世の中になり、問題解決のための答えや、イノベーションに繋がるアイデアはたった一人の頭にあるということはほぼなくなってきています。いかに他の人の脳と繋がっていられるかがとても大切になります。そのためには対話することが必要であり、時にプレゼンテーション、時に交渉、時に活発な議論が必要になります。
技術系(商品開発)においても、この対人能力はとても大切な要素のひとつです。これは面接時のやりとりの中にあらわれます。言葉の選び方、話し方、表情や行動など、つくる必要はありませんが見られているということを理解した適切な受け答えから読み取られていると思いましょう。
就活に役立つ文房具メーカーの技術系(商品開発)面接ポイント②開発職適正
開発職への適正を見極めるポイントとして細分化してみると3つの視点があります。それは、専門性・計画性・軌道修正力です。以下、それぞれひとつずつ詳しく説明していきます。
②-1 専門性
これはその人が知識やスキルとしてもっている専門的な部分の深堀になります。インターンシップや新卒採用では、学生として今行っている研究についての内容が主になります。どのような研究テーマを行っているかという部分です。
そして、そこで聞かれる内容としては具体的な研究内容に関する質問はもちろんされますので、自身の研究テーマにおいて周辺知識まで含めたQ&Aを作っておくのが良いでしょう。
また、そこだけで終わりではなく、以下のような質問に対する答えももっておきましょう。
・なぜその研究テーマを選んだのか?
・その研究が目指す成果は何なのか?
・成果が出せたときには社会にどのようなインパクトがあるのか?
このあたりは、意外と準備できていなかったりします。社会的意義や実現したときの社会的なインパクトを定量的にまた定性的に語れるか、ということです。研究結果を出すことが目的ではなく、それが社会の役に立つことになるとどれだけ理解して研究を行っているかは、メーカーで働くことになったときにもとても大切な視点です。
専門性ということを表面的な知識・スキルと捉えすぎず、多角的に捉えた視点で準備をしておくと良いと思います。また、中途採用においては研究という内容が、今現在働いているまたは前職での仕事の内容になります。置き換えて準備してみてください。
②-2 計画性
会社ではスケジュールの順守というのが重要なミッションになります。そのための段取りつまり詳細のスケジュールをきちんと作ることができているか、そしてその内容はどれだけ確実性を上げられる内容、かつリスク回避できているかが問われます。
同じテーマでも、開発者が変わればスケジュールの引き方が違うようになったりします。スケジュールの作り方を見るだけでデキる開発マンかが分かるくらいです。それくらいスケジュール、つまり計画性というものは大事になってきます。
それを学生であれば今の研究テーマに即して質問していきます。
・どのような計画なのか?
・途中のターニングポイントはどこだと考えているのか?
・それに間に合わせるために具体的にどのようなアクションをしているのか?
・キーマンは誰なのか?
それらを把握しながら、計画立てて研究をできているかが大事です。計画的に研究をしているということを説明できるようにしましょう。
また、中途採用では今の仕事や前職で実施に行った過去の内容からこの計画性を紐解かれると思ってください。当初の計画はどうだったのか?それに間に合わせるためにどんな苦労や工夫があったのか?学生の研究とは違って、すでに結果が見えている過去のことですのでより具体的に語れるようにしておくと良いと思います。
③-3 軌道修正力
会社で仕事をしていると、計画していた通りに進むことのほうがまず無いと言っていいくらい、うまくいかないことや失敗、手戻りなどが発生してしまいます。ただ、これだけ不確実性が高いのでやってみないと分からないことも多く、ムダではないのですがトライ&エラーを多く繰り返すことになります。その曲面をどれだけ事前に想定できていたか、そしてその場面になったときにスケジュールや打ち手の修正、または周囲の巻き込み方などをその環境に合わせて軌道修正していく必要が出てきます。この対応を柔軟にできるかが問われます。
これを今実施している研究に置き換えた質問がくると想定してみてください。
・研究は予定どおりで何も失敗はありませんか?
・ある場合、どのような失敗ですか?
・それを克服するために、あなたはどんな行動をしましたか?
・その結果、どうなりましたか?
など、このような質問から軌道修正力をはかっていきます。
就活に役立つ文房具メーカーの技術系(商品開発)面接ポイント③モノへの興味関心
最後のポイントがメーカーらしい内容になります。モノへの興味関心がどれくらいあるかです。おそらく面接を受ける会社の商品については調べたり、何が好きでということを語れるように準備していると思います。それももちろん大事ですが、その会社以外でも本当にモノに興味があるのか以下のような質問をされるようなこともあります。
・最近購入したものは何ですか?(または気になっている商品はありますか?)
・その商品をなぜ購入しようと思ったのですか?
・どのような点に興味を持ちましたか?
・その商品の素材、デザイン、機構などで気になる点はありますか?
・その商品を分解したことはありますか?
これをその会社の商品と、そうでない商品共に語れるようにしましょう。このような質問から本当にモノへの興味関心が高いのかが分かります。
これらの質問をすると、答えが「iphone」ということが多く、理由はデザインがかっこいいし、すごく使いやすくて・・・という表面的な答えがかえってきたりします。それはモノへの興味関心が高くない人でも答えは同じです。
そうではなくて、例えば、
・〇〇という商品のこの部分、ギミックの機構が他社品とは違って、よく見るとこの設計が耐久性をあげているなと感じて気になった
・この素材感はターゲットに対してこのような気持ちになってほしいから、このような手触りの素材を選んでいるのかなと想像した
など、モノづくりの視点まで入り込んだ見方ができているかがポイントになります。
まとめ
いかがでしょうか。こんなところまで見られているの?という部分もあったかもしれませんが、面接官側はできる限りその人の個性や能力を引き出せるように上記のような質問をしながら、必死に短時間で見抜こうとしています。
面接は事前の準備で98%が決まると言っても過言ではありません。今回ご説明したものをさらにバージョンアップさせた必勝法をまとめたものを下記で紹介しています。
しかし、あまり準備をしすぎて自分らしさを忘れないようにしてください。作った自分で合格してしまって、いざ会社に入ったときのミスマッチのほうがもったいないので、相性もあるのだと理解してください。
就活は能力をはかられているのではなく、会社との相性もありますからね。
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みなさんにとって、少しでも参考になると幸いです。
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