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【就活】文房具メーカーで働くってどんな感じ?『開発者ものがたり②』

前編の『開発者ものがたり①』に引き続いて、後編の話に移っていきたいと思います。

↓前編『開発者ものがたり①』はコチラから

後編は、人間関係や仕事にも慣れてきた4~10年目ものがたりです。3年目が終わるころには、視野が広くなり自分の会社を俯瞰して見ることができるようになります。先輩社員からも多くの情報が入り、この先自分自身が歩んでいく道が見えてきたように感じます。

そのことにより3年目は良く節目と言われますが、ここで会社を辞めて転職したりする人が多くなるのも事実です。これはある意味こうした理由から健全なことなのかもしれません。自分自身のキャリアを一度見つめなおして、変化を求める時期でもあると思います。

文房具メーカー開発者<4~10年目ものがたり


この時期になると、社内では開発のプロセスや仕組みを知っていて、ある程度仕事を任せても進められる人材となっていることがほとんどです。そして、周囲と比較して「アイツは頭ひとつ出てきたな!」という人材が出始める時期でもあります。

開発マンはそれが分かりやすいのが新商品です。10年目くらいまでには、あなた自身を写すような代表商品を発売することが目標となります。社内でも「あー、あの商品を作った〇〇さん」というように、商品を介して社内での評判をあげていくような時期になります。

早い人ではチームリーダーやプロジェクトリーダーにアサインされるようなことも多くなってきます。そのような人選をされるためにも、あなた自身を写しだす新商品を創り上げることが必要になります。

メーカーでは、企画案件やプロジェクト、上司からの頼まれごとなど、どこにチャンスが潜んでいるか分かりません。そして、それが後にチャンスとなりえるのかは誰にも分かりません。だからこそ、まず飛びつく!という意識がとても大切になります。とにかく飛びついて、吸収して、成果を出してということを繰り返して、ヒット商品と呼ばれるものまたはロングライフ商品となりえるものを生み出していくことに専念する時期です。

文房具メーカーで開発をして良かったこと5選

ここからは、入社~10年目までの経験を通じて文房具メーカーに勤めて良かったと思うこと、良かったと周囲から良く聞くこと5選について書いていきたいと思います。

①海外に行ける

僕自身がそうなのですが、初海外が会社に入ってからの海外出張でした。文房具メーカーの多くはアジア圏に自社工場やパートナー工場があります。中国、タイ、ベトナムなどが多いのではないでしょうか。

海外出張すると、工場のスタッフに対して自分自身がリードして現場を指揮していく必要があります。生み出そうとしている新製品に対して一番思いをもっている自分が、現場を動かして理想のモノを作っていきます。

こうした経験は、工場という現場を知ること、そして工場を動かすということを経験することができ、開発者として非常にスキル向上できます。また、海外の文化に触れることは人として大きな成長もあります。また、これは会社にもよりますがヨーロッパでの見本市の視察なども巡ってくる可能性があります。こういう機会を得られることは、メーカーに勤めて開発を行うひとつの楽しみではないでしょうか。

②特許取得はやったった感

開発を進めている新商品について新規性や進歩性が認められれば、特許を出願するということも多くあります。個人でアイデアを思い付いたとしても特許の調査を行って、特許の出願明細を書いて、出願手続きをするということは費用的にも作業的にもかなりの負担がかかり実際には難しいと思います。

メーカーに勤めていると、知的財産の部署の人の助けを借りながら、特許出願を行うことができます。晴れて審査に通れば特許取得となります。開発者にとって、特許取得は新商品を出すのと同じくらい成果が見える化されたもので非常に嬉しいものです。特許庁のデータベースで自分の名前で検索して、特許取得明細が出てくるとやったった感があります。

ある種これはメーカーに勤めながらも、個人として成果をあげた証拠であり、対外的にも個人の価値をあらわせるものになります。実際にヘッドハンティングの会社などでは、この特許取得の検索から人材を見つけていたりもします。というように、社内のみならず社外も含めた自分自身の価値を表現できるものになります。

③マーケティングスキルは日常生活にも活きる

マーケターと言えば、ターゲットを決め、そのターゲットの顕在的な困りごとやまたは気づいてもいない潜在的な困りごとを見つけ、それをニーズとして変換し、アイデアを創出して世の中の役に立っていきます。

このスキルって間違いなく日常にも活きるんですよね。誰かにプレゼントをあげたり、サプライズをするときにも、ターゲットが存在しそのターゲットの困りごとを探ったり、ニーズを把握して、何かをするっていうことは日常にありますよね。

そして、それを届けるときにはどのように伝えるのが一番効果的なのかを考えます。まさに、マーケターってこれを職業としているので、モテる人が多いのではないでしょうか(笑)。あっ、これは勝手な僕の推測です。

④新商品は我が子も同然

自分が開発をして名前を付けて生み出した新商品って本当に我が子も同然、可愛くて仕方ありません。

発売した直後は、お店でこっそりお客様を見て、手にとってレジに並んだ時には後ろからハグしたい気持ちを何度抑えたことか(笑)。捕まらずに済んで本当に良かったと思っています。ネット検索でもレビューを毎日見てしまうくらいです。これは本当に開発者にとっての醍醐味ですね。

⑤メディアに出れるってそうはない

開発した新商品のリリースを取材されることにより、メディアに出演できることがあります。どんな商品でもいいわけではないので、ある程度話題になるような新商品の開発が前提となりますが。

僕自身も新聞、雑誌、ネット、テレビと多くのメディアに出演させて頂きました。これは自分自身の人生においても非常に貴重な機会であり、メーカーに勤めて開発者をやって良かったと思うひとつのシーンです。

文房具メーカーで開発をしてつらかったこと5選

ここからは、入社~10年目までの経験を通じて文房具メーカーに勤めてつらかったと思うこと、つらかったと周囲から良く聞くこと5選について書いていきたいと思います。

①やることの多さ、必要スキルの多さにパンク気味

これは若手時代に必ず通る道かもしれません。商品開発って一見華やかに見えますが、裏では雑多な業務もとても多いです。開発にまつわる書類の作成、それも多岐に渡る内容をつくる必要があり、また多くの関連部署や人の了解を取っていかないといけません。まだまだ不慣れな時期で、いくつかテーマが重なったときには、これはいつ終わるのだろうか・・・と思うような経験を一度はするものです。

何度かこの経験をすると、それ以降はある程度プロセスやルーチン業務であることが理解できるのでこなせるようになってきます。でもはじめて経験したときは、開発者としてまずぶち当たる壁といった経験です。

②海外での孤独との戦い

良かったと思うことにも描いた海外出張ですが、この海外出張は時としてつらいシーンもあります。ある程度経験を積むとひとりで海外出張へ行くこともあります。工場の人たちと渡り合いながら理想とするモノづくりを実現することは、そんなに簡単なことではありません。

現場の人からはコレくらいが限界です、と言われたりするシーンがあります。拘り抜いた箇所なのでもう少しトライしてもっと良くしたい。この間で揺れます。ここで開発者として妥協せずに、何とか協力を仰いで一緒になって目標をやり遂げるようにリードしていくことは開発者として以上のスキルが必要になります。現場を鼓舞しながら盛り上げていくようなことも必要です。

実際に僕は、金型のトライで思うようにいかず、でもその日中になんとかしないといけないということで、深夜になってもホテルに帰らず朝5時まで現場でトライをするということを何度か経験しました。日本を離れ、ただでさえ孤独でかつひとりの状況、妥協はしたくない、色々な思いがよぎって戦うという経験でした。

③海外での飲みすぎ注意

海外に行くと食事も楽しみのひとつです。パートナー会社との仕事の場合、先方は美味しい料理を振舞ってくれることもあります。このようなシーンでは、お酒をすすめられることは良くあるものです。断りにくいのでどんどん飲みすぎてしまうことがあります。翌日も仕事があるのに、頭痛をかかえながら現場で作業したことが何度かあります。ずっと暑い工場で立ち作業ということもあり最悪でした…どこでもそうですが、お酒には注意ですね(笑)。

④クレームには真摯に対応

開発者にとって避けて通れないのはクレームです。売れれば売れるほどに増えるのが事実です。ひとつずつ手作りをしている商品ではないので、安定的に確実な商品を作るということはこれほどまでに難しいものかと感じるくらいです。

そのバラつきはどこから発生するのか、商品設計を見直したほうが良いのか、それとも作り方、または検査の方法を変えたほうがいいのか、そのような積み重ねをして安定的に良品を作り続けるようにしていかなくてはいけません。

家電などで良く言われますが、初期ロットは買わないほうが良いというのは文具業界にいてもうなずけることです。初期ロットで発生した不良やクレームなどを見て、改善が積み重ねられていきます。クレームが発生したときには、本当に真摯に対応する必要があります。何千、何万個作ったうちの1つかもしれませんが、それを購入したお客様にとってはそのひとつが全てなのです。メーカーの開発者にとってつらい仕事ではありますが、誠心誠意対応することを心掛ける必要があります。

⑤商品レビューは目をふさぎたくなることも

クレームと同じくですが、アマゾンなどの商品レビューにはお客様の率直な意見が寄せられます。新商品を発売した直後のレビューを見ては星を数え、コメントを見て一喜一憂する日々が続きます。

星の平均点を見て4点を超えているから大丈夫と思い込んではいけません。1点、2点の内容の書き込みを見て、本当に目をふさぎたくなることもあります。つらい内容ほど、見て見ぬふりではないですがどこかで言い訳をしてしまうようなことがあります。

逆にこれらに対しては目をふさぐことなく、なぜこのようなことが発生したのか、たとえ1件2件のレビューでも対応を検討するような態度が開発者には必要です。

まとめ

『開発者ものがたり』後編はいかがでしたか?

後編の10年目までの時期は一人前の開発マンから一流の開発マンになるためのステップであること、また一見華やかそうに見えるメーカーでの商品開発の良い面もつらい面も見えたのではないでしょうか。実際に文具ブラザーズもこのほとんどを経験してきています。良い面もつらい面も経験して、結果としてつらい面は笑い話になったり、または今の成長へとつながっていることを確信しています。

どんな仕事も同じだと思いますが、つらいことがあるからこそ楽しいときがより楽しくなりますよね。仕事をする上で「楽しい」って感じるのはなんでだと思いますか?楽しい仲間と和気あいあい楽しい雰囲気で仕事をすることでしょうか?それももちろん楽しいですが、「楽しい」仕事とは間違いなく「成長できる」仕事です。ですから、つらいことも含めて成長につながっていると実感しながら、日々取り組んでいきたいとこの記事を書きながら改めて思いました。

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