文具戦闘力では、文具ブラザーズによるプロ目線での商品分析をしています。
ここでは、ターゲットから「使ってみた感想」から、つくり手の狙いとしての「ターゲット・企画背景」、そして細かな「商品分析」だけでなく、客観的な「ユーザーの口コミ(レビュー)」までを分析しています。更には、その商品が適正価格であるかがわかる「コスト分析&比較」をおこなった上で、最終的に商品ごとの戦闘力を総合的に数値化しています。
「戦闘力・コメント」では、以下の項目で総合的に評価をしています。
・使いやすさ
・価値の高さ
・デザイン
・SDGs度
・コスパ
また、「文具ブラザーズならこうする」では、文具ブラザーズ独自の視点で商品の改良などを述べていきます。
消しゴム クリアレーダー 使ってみた!
透明消しゴム「クリアレーダー」まずは空にかざしてパシャリと流行にのってやっておきました(笑)。やっぱりキレイですよねー。これだけで、すでに商品価値があると思わせるくらい。
消しゴムなので当然字を消せなくてはいけません。昔から透明の消しゴムはありましたが、全く消えませんでした。消えるどころか黒鉛をひきのばすだけ。そんな印象があったので期待していませんでしたが、いい意味で裏切られました。今までの透明消しゴムとは違い消えます。
滑らすときに抵抗感を感じて、消し心地は重たい印象で好き嫌いがあるかなと感じます。
クリアレーダー ターゲット・企画背景
消しゴム自体のメインターゲットは鉛筆やシャーペンを良く使う小学生・中高生になりますが、この商品は狙ってか狙わずなのかは分かりませんが、10~20代女性のSNSでの映え写真というところにずばりハマった商品です。
発売以降、「①使ってみた」にある写真のように空にかざした写真をあらゆるところで見ました。これによりバズって、品切れ店が続出しました。これは完全に想定外だったと思います。
消しゴムという付加価値を付け加えにくい市場において、レーダーチャートにあるように『透明感』(これを項目に加えているのが面白い)という全く違う土俵で戦うという企画のコンセプトが見事に成功した商品ですね。
クリアレーダー 商品分析
消字率について、過去の透明消しゴムと比較すると圧倒的に消えますが、通常の消しゴムと比較すると低いレベルになります。性能の良い消しゴムは95%前後になりますが、クリアレーダーは90%未満と想定します。
また、黒鉛をひきのばすようにして消すため、濃い部分を消すと上滑りしてしまいます。
消しカスのまとまり性については、消しゴム自体が粘りがあるような感じなのである程度はまとまります。
硬度は柔らかめですが折れやすいというところまではいかない印象です。また、透明なので消したい文字が透けて見えやすいかという部分については、文字の上からベタっと消しゴムを置くと透けて見えますが、消している時には見えにくいです。
クリアレーダー ユーザーの口コミ(レビュー)
良い評価としては5~6割が透明でキレイ、かっこいい、清潔感があるという見た目への内容を占めています。SNSでは映え写真と共に多くの投稿があります。コレクションとして買うという新しい価値を消しゴムで提供できているのではないでしょうか。
反面、性能面についてはネガティブな意見もあります。やはり、黒鉛の上を上滑りするのでひきのばしてしまって汚くなったという声もあります。HB程度の通常の文字をさっと消す分には問題ありませんが、濃い文字や塗りつぶしたような箇所には不向きといった感じです。
また、レビューコメントではこれだけバズった商品のためネット通販では非常に高額で販売されており、それに対して高すぎる!という声が多く出てしまっていました。
クリアレーダー コスト分析&比較
2サイズあり、小さいサイズが100円(税抜)・大きいサイズが150円(税抜)となっています。同サイズと比較すると、通常のレーダー消しゴムで小さいサイズが60円(税抜)・大きいサイズが80円(税抜)となっており、2倍弱の価格となっております。
この商品自体の何に価値を見出すかですが、消しゴムとしての性能としておいた場合には割高ですが、映え写真やコレクションとして100円・150円と考えると安いように感じます。
話題になったのはありますが、これだけ品切れ期間が続くところをみると生産性が悪い商品になっていると思います。設備投資をすればもっと大量に安く作れるかもしれませんが、まずは売れるか分からなかったのでという裏事情が見えます。
クリアレーダー 戦闘力評価&コメント
戦闘力:573
評価項目 | 戦闘力 | 説明 |
使いやすさ | 70 | 透明感◎、消しカスまとまり〇、折れにくさ〇、消字率△ |
価値の高さ | 178 | 透明でかつここまで消えるところまでもっていったのは素晴らしい |
デザイン | 205 | 映え写真をこれだけ撮りたくなるというデザイン性が◎ |
SDGs度 | 20 | 塩ビ(PVC)製であるためあまり良くない |
コスパ | 100 | 価値をどこに置くかによってコスパ評価が二分する |
クリアレーダー 文具ブラザーズならこうする
これ以上性能をあげることは難しいため、徹底的に「透明」という見た目の価値に振り切る。
カラー透明の展開、形状違いでの透明展開などいかに映えを強調できるかの商品ラインアップを展開する。さらに、透明ゆえ中にあるコンセプトをもった不透明な消しゴムを浮遊させるデザイン展開も面白い。それに応じてスリーブのデザインについても凝ったデザインをする。
最後に、総まとめをシートにして掲載しておきます。
価格:165円 |
価格:1,100円 |
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